四季報 そよかぜ 2019年10月発行

ごあいさつ

整形外科 非常勤医師 村田浩一

本年4月より非常勤医師として、木曜日に整形外科外来・病棟を担当させていただいている村田浩一といいます。普段は京都大学医学部附属病院整形外科、リウマチセンターで関節リウマチ、骨粗鬆症および脊椎患者さんの診療にあたっています。

本院では大腿骨近位部骨折の患者さんや脊椎椎体骨折の患者さんが多数入院してリハビリが行われております。これらの骨折では術後(受傷後)長期にリハビリを行った方が、その後の移動能力など予後がいいことが分かっているのですが、昨今の医療情勢では急性期病院でそれを行うことは難しく、患者さんに早期の退院をお願いしたり、本院のような回復期リハビリ病棟を持った施設に転院してリハビリを行ってもらっています。

本院でのリハビリ状況を拝見すると、たくさんのリハビリスタッフから土日も含めた毎日120分のリハビリが受けられ、退院前の患者さんの移動能力の回復には驚くものがあります。

当院で私が皆様のお役に立てるとしたら骨粗鬆症のしめる分が大きいのではないかと思います。骨粗鬆症の話をさせていただくと、現在要支援、要介護の原因となる要因として、運動器の障害、脳血管障害が1位、2位を占めており、骨折転倒が運動機能障害の原因の半分を占めています。

骨折の危険因子として、低骨密度、既存骨折、喫煙、多量の飲酒、カルシウム不足、ステロイド薬の使用、骨折の方が家族にいること、運動習慣のないこと、やせていること、早期閉経などがあります。
残念なことに国内の骨粗鬆症患者の75-80%は骨粗鬆症治療を受けていないという報告もあり、当院に骨折などで入院されている患者さんも一定の割合で骨粗鬆症治療を受けられていない患者さんもおられます。

既に脊椎椎体骨折のある人が、新たな椎体骨折を発生する割合は、まったく椎体骨折のない人に比べて5倍、大腿骨頸部骨折を発生する割合は2.5倍との報告もあり、すでにこういった骨折を受傷された方は、次の骨折を防ぐことはとても重要になります。骨粗鬆症治療開始の基準ですが、大腿骨近位部骨折や椎体骨折などの脆弱性骨折のある方は薬物治療がすすめられています。また、骨密度が若年成人平均の70%の以下の人も同様に薬物治療がすすめられます。

骨粗鬆症の薬物治療に関して、ここ10年ほどで様々な薬剤が開発されてきました。毎日から月1回程度服用する内服製剤、毎日から年1回行う注射製剤などがあります。残念ながら骨折の危険性を0にするものはありませんが、50%程度は低減してくれます。骨量を効果的に増加させる薬も最近発売され、治療の選択肢が広がりました。

薬剤によっては治療前に歯科検診、歯科治療が必要です。また治療を行う場合は、半年から年に1回の採血や骨密度検査、レントゲン検査で効果を確認していきます。
骨粗鬆症、関節リウマチ、脊椎疾患に限らず、整形外科疾患で何かお困りのことがありましたらお気軽にご相談頂ければと思います。

「コミュ力の高い人」って・・・

カウンセリングルーム 公認心理士・臨床心理士 木場 律志

昨今、何かにつけ「コミュニケーション」が重視される時代になってきたようです。

学校でも職場でも「コミュニケーション能力」、いわゆる「コミュ力」が求められ、書店にもこの手の書籍はたくさん並んでいます。「コミュ障(「コミュニケーション障害」の略)」なんて言葉が生まれたのも、ここ最近ですよね。

でも、そもそも「コミュニケーション」って何なのでしょう?みんな当たり前のように使ってますけど、これ、日本語じゃないですよね?

じゃ、辞書で調べてみましょうか。

Communication=(情報の)やりとり、連絡、伝達

あれ? “話すこと”じゃないの…?

そうなんです。「コミュ力」っていうと“話のうまさ”っていうイメージがあるみたいですけど、Communicationという言葉には、“話すこと”なんていう意味はないんです。

そうじゃないと困ります。だって、自慢じゃないですが、私、全然“話し上手”じゃないですから。そんな私に「コミュニケーションについて何か書いてよ」なんて頼まれても(この原稿を依頼されても)困りますから…(笑)

コミュニケーションっていうのは“やりとり”です。当たり前ですが、やりとりっていうのは一人じゃできません。相手が必要です。

つまり、コミュニケーションは一人じゃできません。常に相手と協力しながらの共同作業になります。(ちなみに、“話すこと”なら一人でできます。独り言ってそうですよね)

そうすると、「コミュ力」っていうのは“相手と協力しながらやりとりする能力”っていうことになります。一方的に“話す”だけだと協力関係は築けません。

相手の話をしっかり聴き、その気持ちや立場を理解しようと努めること(要は、相手を尊重する姿勢)が、この共同作業には不可欠です。うまく話せなくたっていいんです。大事なのは、相手を尊重する姿勢。これを持ってる人が、本当の意味で「コミュ力の高い人」なんですから。

居宅介護支援事業所 そよかぜ

所長 平野昌由 介護支援専門員

当居宅介護支援事業所そよかぜには、現在2名の介護支援専門員が在籍し、要介護認定の申請代行や、認定後の要介護度に応じた介護サービス計画(ケアプラン)の作成を行い、関係機関やサービス事業所等と連携してより良いサービスが継続的に受けられるよう支援をさせて頂いております。そのような中で、大切にしている事が4つあります。

一つめは、要介護者等の心身の特徴を踏まえて、その有する能力に応じ、利用者が自分らしく普通の生活が営めることを目的とし、自立支援に向けてマネジメントを展開していくこ事。

二つめは、サービス実施に当たり、利用者の心身の状態やその環境に応じて、利用者の思いを尊重し適切な保健医療福祉サービスが多様な機関・事業所から、総合的且つ組織的に提供されるよう誠意をもって援助活動を行う事。¥

三つめは、利用者の意志や人格を尊重し、特定の種類またはサービス事業所に不当に偏ることのないよう公正中立にマネジメントを行っていく事。

四つめは、サービス実施に当たり、医療機関や介護サービス事業所や高齢サポート等と連携に努め、地域社会から信頼されるように研鑽に努める事です。

もし介護サービスを利用したい、一人暮らしで家事を手伝って欲しい、家族だけでは介護が大変になっている、外出が難しく家に閉じこもりがちになっている、用事があって介護が一時的にできない為、泊まり先を探している、廊下やトイレに手すりをつけたい。長く暮らせる施設を紹介してほしい、等々のご相談が御座いましたら「そよかぜ」までお申しつけください。

これからも、居宅介護支援事業所そとかぜは、利用者の立場に立つこと、家族の思いを大事にする事を心がけながら、信頼される事業所を目指して、日々業務に励んで参りたいと思っております。今後共、宜しくお願い申し上げます。