四季報そよかぜ 2019年7月号

「せめて・・・とはいうものの」

リハビリテーション科 部長 牧浦 弥惠子

思いがけない病気や事故、ケガ。無我夢中で急性期病院での治療を終え「次はリハビリを頑張ってください。」と、回復期病棟に移ってリハビリテーションを受ける事になったが、さてこの先どうなっていくやら…。

こうやって当院の回復期病棟に入院される患者さんやご家族さま。できる限り入院後、早い時期にお話しを伺い、過去の病気や生活のご様子を把握するように努めています。

その際、「最低限これはできるようになってほしいと思われることは何ですか。」とご家族さまにお尋ねしています。ほぼ8割以上のご家族さまから「せめて、トイレには自分で行けるようになってほしいですね。」というお返事をいただきます。

ただ、この「排泄ぐらいはせめて…。」が実は大変難しい目標なのです。

確かに、入浴などは毎日しなくてもなんとかなります。在宅サービスを利用する等、予定を立てて手助けをお願いする事も可能です。ところが、排泄、ことに排尿となると日に何度も必要な行為ですし、予定を立てることも不可能です。夜中に必要になることもあります。せめて…とご家族さまがおっしゃるのも最もなことです。

畜尿・排尿とは、それぞれ、漏らさずに膀胱内に尿を貯める能力と出したい時に出し切る能力、この相反する機能について水道をひねるように脳が操っているのです。膀胱から尿が貯まっていますよのシグナルが脊髄を通って脳に届き、排泄する際は脳から排泄しますよのシグナルが膀胱に届く。この連絡通路のどこかが傷つくと司令のやり取りがうまくいかなくなります。

漏れるのか出ないのか。場合によっては漏れるのに出ないなどという困った状況も起こり得ます。男性の場合は脳や脊髄といった原因以外に前立腺肥大症など、加齢に伴い大きくなった前立腺が尿道を圧迫して排尿障害が生じることもあり、症状をより複雑なものにしています。また、最近は昼間より夜の方が尿量が多くなってしまう夜間多尿が問題となっており、高血圧症や糖尿病と関係があることもわかってきています。

畜尿・排尿の複雑な仕組みに加え、トイレまで移動する能力、ドアの開閉、便座に腰を下ろすための方向転換、着座や起立の能力、ズボンや下着の上げ下ろしできる能力、トイレットペーパーの使用など様々な能力の集大成として初めて完結する排尿行動。排泄が自立するということは患者さんの尊厳やご家族さまの介護や経済的負担の面からとても大切なことですが、その達成にはクリアしなければならない多くの課題があるのです。

日々、患者さんと訓練を重ねつつ、多職種が知恵を出し合ってそれぞれの患者さんやご家族さまの状況に応じた排泄の解決策を検討してまいります。

令和元年を禁煙元年に

内科 非常勤医師 齋藤伴樹

私の専門は腫瘍内科、つまりがんを専門に診療しています。北大路病院では主に呼吸器を中心とした内科外来を行っておりまして、今回はそこで令和元年5月から始まった禁煙外来の宣伝をしようと思います。

写真は非喫煙者の肺と喫煙者の肺です。喫煙する人は肺癌になりやすいことはよく知られており、実際に男性は5倍、女性は4倍も肺癌になりやすく、また肺癌だけではなく他のがん(咽頭がんなど)や脳卒中、喘息など様々な病気になる危険が高まります。また、自身が喫煙せずとも他人の煙草の煙によってご家族様も様々な病気になる危険が高まります。

特に妊婦さんや赤ちゃんにも悪い影響(流産・早産、低体重出生)が出ることも報告されています。しかしながら私が一番重要と思いますのは、病気のリスクよりもがんや脳梗塞などの病気になった後に誰が自身の面倒を見てくれるのか、というところです。よく考えて頂きたいと思います。

禁煙外来を始める前から何人も禁煙の相談に来られた方がいらっしゃいました。しかし私は外来で喫煙をやめなさいと言ったことは一度もありません。喫煙はその人の人生の一部であり、喫煙されている皆さんは外来で少し会っただけの若造から喫煙をやめなさいと、「偉そうに」指示される筋合いはないですし、煙草とともにあったその人生の一部を否定することに他ならないのです。

ただ禁煙外来にいらっしゃる方は心のどこかに禁煙をしなければいけないという芽があると思っていますので、その芽を絶やさないためによくよく話し合い目標達成へのお手伝いをさせて頂ければと思います。
少しでも禁煙の気持ちがございましたら私の外来でその気持ちを100倍にします。またご家族の方で禁煙してほしい方がいらっしゃる方も相談に乗らせて頂きます。ぜひ令和元年を禁煙元年にしましょう。

特別メニュー

栄養科主任 大田明美 管理栄養士

当院では食事サービスの一つとしてご希望の方に特別メニュー(有料)をご提供しております。食事制限のある方も、毎月一回この日だけは主治医の許可をもらって、カロリーや塩分を気にせず、食事を楽しんで頂いております。

入院患者さんでご希望の方は、病棟詰所でお問合せ・お申込み下さい。

職員会が開催されました!

今年も新入職員を迎え、当院理事長・院長縁の竹内栖鳳邸跡のザ・ソウドウ京都東山で職員会が開催されました。新しい仲間を迎え、病院職員一丸となって日々努めてまいります。

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