四季報そよかぜ 2016年8月号

リハだより「QOL」と「笑顔」

リハビリテーション科技師長 村上周平

 

こんにちは、リハビリテーション科の村上です。暑い日が続いておりしっかり夏バテしています。若い頃はクーラーをつけるなんて根性がない奴だと思っていましたが、今では帰るとまずはクーラーのスイッチに手が伸びる毎日です。

皆さんはQOL(クオリティー・オブ・ライフ)と言う言葉をご存知でしょうか。ひとりひとりの人生の内容の質や、社会的に見た生活の質の事を指します。病気をして、今までと同じような生活が出来なくなる事もあります。医療において求められる事は、病気をした後でも患者さんそれぞれが満足した生活ができるように援助する事です。

私は、QOLは心が決める・心が作り出しているのではないかと思います。患者さんは人生の先輩ばかりです。私は患者さんから沢山の事を教わりながら、療法士として身体機能の向上以外に患者さんそれぞれの心に触れ、考えることが必要であると考えています。

とても難しいことだとは思いますが、QOLの大切さを教えてくれる映画があります。私は、初心を忘れる事の無いようにいつも同じ映画を見ています。「パッチ・アダムス」と言う医師の物語です。あまりにも感動しすぎてしまい、映画のモデルとなった実在人物のハンター・アダムスの勉強会に参加してしまうほどです。

ハンター・アダムスはゲズンドハイト・インスティチュートと言う財団を作り、医師として必要と感じれば道化師にもなり、一般的な医師の範囲を超えて社会的活動家として活動されています。そして、世界中の病院を回って、笑いと愛を与え様々なチャリティー活動も行っています。

映画の中で特に、感動した言葉があります。

「癒し・治療とは、ただ医療を一方的に提供するのではなく、一緒に協力し合いながら、喜び・協力の精神を分かち合うものである。そして、笑って楽しむことは愛する事と生きることと同じくらい大切な事である。」

「誰にも見えないのをみろ。誰もが見えないと決めているものを見るんだ。既成概念やくだらない見栄を捨てて世界を見直せば毎日が発見である。」

「共に笑い。共に泣く。何が起きようと絶対に逃げない。」

私は理学療法士です。医師ではありませんので、パッチ・アダムスのように患者さんの病気を治す事はできません。しかし、リハビリテーションに必要なことがこの映画に詰まっている気がします。

私は、患者さんと一緒に悩んで、笑って、泣きたいと思っています。諦める前に可能性を考えたいと思っています。これからの人生が笑顔溢れるものになるように、出来ることをしたいと思っています。一人で出来ないのであれば、たくさんの人に助けてもらおうと思っています。

一番大切なことは、患者さん・患者さんに関わる全ての方が笑顔で幸せであるということではないでしょうか。

そのためにできることは何でしょうか。大切なことを考え続け、最適なリハビリテーションを提供し、時には笑いを交える(笑)。

笑いはとても身体に良いんですよ。笑うと、気分が良くなるホルモンが分泌され、そしてストレスホルモンの分泌が減り、免疫反応も向上させます。そして、血液内の酸素が増え、肺の中の空気の残留量が減り、心拍数と血圧が一次的に上がります。

その反動で、血管が緩み、その影響で心拍数と血圧が下がります。また、筋肉を緩める働きがあります。心配すると筋肉を緩めることが出来ません。心から笑った後のリラックス効果は45分続くと言われています。

当院の療法士は、いつも活気があり、常に諦めることなく可能性を考え続ける事が出来る療法士が揃っています。また、患者さん・患者さんに関わる全ての方の笑顔・QOLの向上のために全力を尽くすことが出来る療法士ばかりです。

私自身も、初心を忘れることなく、常に笑顔で、患者さん・関わる全ての方の笑顔・QOLの向上、療法士の笑顔・QOLの充実のために精進したいと思います

 

 

地域連携だより

叡山電車「茶山駅」

 

当院は叡山電鉄「茶山駅」から徒歩3分のところにあります。叡山電鉄といえば、鞍馬・貴船・八瀬…紅葉列車…等々観光電車のイメージがありますが、地元の人たちからは生活の足としてもよく使われている電車です。子供がぐずった時は、叡山電車を見ると機嫌が良くなるのでよく線路まで見に行った記憶があります。

「茶山駅」は「出町柳駅」から3つめの駅です。「京都造形芸術大学前」の方がご存じの方が多いかもしれませんね。ではなぜ「茶山駅」という名前がついたのか?茶畑があった?山があった??

調べてみると、「新撰京都名所圖會」(竹村俊則著)では「勝軍地蔵のある舊丸山の北に接する南北四丁ばかりの一丘陵が茶山」であると明記しており、さらに「この山の西麓に茶屋四郎次郎の別荘があり、茶屋の本名中島情延に因んで情延山とも茶山とも呼ぶ。」と記述されています。

そして「茶屋四郎次郎」の別荘が現在の茶山駅の近くにあったことから駅名として「茶山」という名前が残ったらしいです。

「茶屋四郎次郎」とは?安土桃山~江戸時代にかけての公儀御福氏を世襲した京都の豪商で、党首は代々「茶屋四郎次郎」と襲名する習わしがあったそう。

ちなみにこの「茶屋四郎次郎」の三代目清次はとりわけ徳川家康と親しく、こんなエピソードがあるようです。

【1616年(元和2年)、大坂夏の陣で豊臣家を破滅させ、ようやくほっとした徳川家康。そんな家康が隠居する駿府(静岡)へ「茶屋四郎次郎」がやってきて、「近頃、都では何が人気じゃ」と問われた彼は、「天婦羅(てんぷら)」を紹介する。

食通だった家康は、早速賄い方に申し出て魚に衣をつけて油で揚げる、その鯛の天婦羅を食べる。そしてあまりの美味しさに思わず二枚も平らげてしまった。高齢の身でもあり、これが原因で胃腸を悪くし、この年、家康は他界したという。】

これが本当なら高齢になってからは油ものを出来るだけ控えた方がいいと思われますが、でも自分が美味しいと思うものを食べる方が本望かな?

(参考資料)邦光史郎「豪商物語」永井路子「にっぽん亭主五十人史」

 

 

スタッフブログ

 

夏が近づきだんだんと暑い日が多くなってきました。皆さん体調は崩されていませんか?水分補給や塩分補給をしっかり行ってくださいね。

さて、私は4人兄弟なのですが、今度妹が結婚することになりました。新しく家族が出来るというのはなんとも不思議な感覚ですね・・・。この妹の旦那さんになる方が、なんとも気遣いのできる方で、しばしば関心させられています。

部屋が暑いなーと思ったらすでにエアコンのところへ移動していたり、荷物を持って車へ戻ろうとすると調度良いタイミングでドアを開けてくれたりと、ほんのちょっとした気遣いが多いのです。

私も仕事中など、気遣いの心を忘れないように頑張ろうと思ってはいるのですが、なかなかここまではいきません。なんでそんなに気遣いできるのかと聞いてみると、仕事柄です!とのこと。

仕事柄・・・ということは私も訓練すれば可能なのでしょうか、うーん、精進していきます。

結婚式の手伝いでちょこちょこ実家に帰っているのですが、やっぱり家族の存在はほっとさせられるものがあります。私は親元を出ていますし、妹は結婚後関東に行ってしまい距離は離れていますが、心の距離はいつまでも近くでありたいものですね。

 

 

心療内科 土井麻里医師 連載
第3回「赦しは自由への近道」

 猛暑が続いておりますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
 今年は、リオデジャネイロ五輪の開催、初の女性東京都知事誕生など、気持ちの上でも熱い夏となりました。そんな熱い思いも、五山の送り火を迎えると、落ち着いてくるのは不思議ですね。

 前回掲載させていただいた「愛についての7つの質問」は、アイリーン・キャディさんが、無条件に人を愛せるようになるために、自問自答されたものでした。

なかなか全ての質問にハイと答えられずにいた時、彼女は、自分と人を赦すことがカギとなることに気づいたのです。今回は、彼女が取り組んだ「赦し」について分かち合いたいと思います。

 私たちが、怒りや心の痛みを抱えて苦しむのは、自分の嫌いな部分に気づいた時、自分の嫌いな部分を指摘された時、感情を傷つけられた時、ひどいことや裏切りをされた時、自分の思い通りにならない人や状況に遭遇した時ではないでしょうか。

 そんな時、状況を受け止め、他者や自分を愛することなど、とても困難です。アイリーンさんが、困難を乗り越えるために実行したことは、赦すことでした。赦したつもりでも、どこか心が穏やかになれないのは、本当に赦してないサイン。赦したつもりの相手、状況、自分に対して、

 ➀冷淡であったら本当に赦していない
 ➁避けていたとしたら本当に赦してはいない
 ➂真の赦しは、そのことが起きる前と同じように相手に対して感じている

この3つを確かめたそうです。全てをクリアするには長い時間がかかりましたが、本当に赦すことができた時、自由の意味を悟ることができたそうです。

 では、赦すためにはどうしたらいいのでしょう?赦すことができない要因は、相手ではなく、その人や状況への自分自身のわだかまりです。私達は知らず知らずのうちに、自分に許可していないものや我慢するものをたくさん作り、それがわだかまりになっているのです。だからこそ、自分に許可していないものを見た時に怒りを感じるのです。

 たとえば、禁煙中に、友人が目の前でたばこを美味しそうに吸ったとしたら、腹が立ちますよね。怒りを感じるものは、自分に許可してないもののサイン。

 ですから、自分に許可していないものを見つけ、状況を理解した分だけ、心に余裕が出て自由を感じやすくなります。禁煙の例では、禁煙しないといけない、ではなく、禁煙してもいいし、しなくてもいい。ただ今の自分が選択しているのは禁煙。その選択においては禁煙できればいいね、という風に理解すれば、より自由を感じることができるでしょう。

 また、赦せない時の気持ちには、怒りや恨みつらみの感情が含まれています。そして、それらの感情の奥には、分かってほしい、認めてほしい、愛してほしい、かまってほしい、助けてほしい、悲しい、寂しいといった気持が隠されています。こういった隠された感情を持つ傷ついた心に気づいて、自分で心を優しく包み込めば、だんだん楽になっていきます。

 このように、すべての赦しは、まず自分を赦し癒すことから始まります。そして、他人を赦すよりも、自分を赦すことのほうが難しいことにも気づいてきます。こうこうと燃えては消えてゆく送り火を見るように、湧き上がる様々な感情やわだかまりや、何が自分の心をかきたてているのかを、「ただ観る」、そして理解し、いたわることが、より自由になる近道といえるのではないでしょうか。

 国際ヨガ協会誌「インナームーブ」
 こころのヨガ2013年8月号より改変

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