四季報そよかぜ 2013年1月号

リハビリテーションにおける『責任』と『情熱』

山本 幸司

こんにちは、リハビリテーション科の山本です。
最近特に寒さが増してきて、毎日震えあがっています。体調をくずさないようみなさん気をつけてくださいね。

私の財布は体調をくずしてスッカラカンになっています。
みなさん無駄遣いに気をつけてくださいね。

ある男性のリハビリ闘病記を読んで

さて、先日読んだ本にこんなことが書かれていました。四十九歳で交通事故に遭われ、脳挫傷で四肢麻痺になられた方のリハビリ闘病記です。その方は、企業の第一線で働いておられ、在職中は『責任感』や『コスト意識』など問題点を常に考えながら行動されていたそうです。

「入院中、患者は『時間』『労力』『経費』を使っている。それらをリハビリスタッフの方たちはどんなふうにとらえているのだろう?企業と違って結果が数字となってあらわれないからこそ、『責任』の意識がより必要になってくるのじゃないかな?」

また、「リハビリは一日も休むことなくやってきたが、本当に回復感がないんだよね。自分はいつも全力投球してるつもりだけど、相手(リハビリスタッフ)は全力投球をしてくれてないみたいに感じるんだよね。」

「なぜこんなにリハビリスタッフの方たちとの一体感がかんじられないのかねえ?たぶん、わたしが感じているのはスタッフの方々に『情熱』を感じないんだ。治してくれる気があるのだろうかと疑ってしまいたくなるような。『いい仕事をする』の条件の中で『情熱』を除くことは出来ないと思うんだけど、皆さんそんなものなくてもいいのかねえ?」

リハビリテーションにおいて何が大事かといいますと、さまざまな知識や技術はもちろん大事ですが、この方も言っているように私は『責任』と『情熱』なくしてリハビリはあり得ないと考えています。

リハビリスタッフにとっては数多くいる患者さんの中の一人かもしれませんが、患者さんにとっては担当の療法士は一人なわけで、私たちは担当した患者さん一人一人に対して分け隔てなく一生懸命関わらなくてはなりません。ベテランであれ新人であれ、担当した患者さんに対して全力で接しなくてはいけないと思っています。

「これくらいでいいだろう」とか「自分は新人だから」とかそういう問題ではないのです。当院の様にリハビリ病院であれば特に、患者さんはリハビリをして良くなって家に帰るために入院してこられます。私たちスタッフからみて「どれだけよくなったか」だけではなく、患者さんにとって「退院後の生活が満足のいくものになるのか」患者さんが「当院にきてよかったと感じられるか」でありそこに私たちスタッフがどれだけ『責任』の意識をもてるかだと考えています。

また、患者さんにとっては突然のけがや病気で入院することになり、日々のしんどいリハビリをこなしていく中で、身体的な疲労もそうですが、精神的にも疲労が溜まりどれだけモチベーションを保てるか、頑張ろうと思えるかも大事なことです。そのために私たちスタッフは患者さんのためにどんなことが出来るのか一生懸命考え、一言一句患者さんの気持ちに配慮した声掛けで関わり、一人で頑張るのではなく、私たちも一緒に頑張るんだという『情熱』をもって接するべきだと考えます。

スタッフに対して、生まれた「想い」

この著者も最終的に、一年半の転院生活の末、良い病院、良いスタッフに巡り合うことができ自宅に退院されました。その病院でのことを次の様に書いておられます。

「自分が歩けた現実よりも先に、入院してからの二,三か月の間、一生懸命共にリハビリに取り組んでくれたPTさんの熱意に私は感動を覚えてました。」

「いつしか私の気持ちの中でリハビリをして回復することは自分自身や家族のためであるのは当然なのですが、同等かそれ以上に情熱的で親身になってやってくれるリハビリスタッフや看護師、医師の皆さんのためにも問答無用にがんばらねばならないと強く思い始めてました。」

 

自分が歩けたことより、一緒に頑張ってくれた事に感動してもらえることや、自分や家族と同じくらいに考えてがんばってもらえること、スタッフからすればこれ以上ないぐらい嬉しいことだと思います。私も想像するだけで嬉しいです。

当院は若いスタッフも多いですが、その分柔軟性に富み、ガムシャラに、一生懸命、患者さんのために努力を惜しまないスタッフばかりそろっています。リハビリテーションにおける『責任』と『情熱』、胸に刻んで日々精進していきたいと思います。

冷え症対策について

『冷え症だから寒くて冬は嫌い。』と思っている方が沢山いらっしゃるのではないでしょうか。
今回のご存知ですかは、そんな冷え症を少しでも和らげる対策についてです。

そもそも冷え症は、病気ではありません。手足などの末端の血管が収縮し血流の滞りが長期的に起こっているため、末端が常に冷えている状態・体質のことをいいます。冷え症は手足の冷え以外にも、むくみ・頭痛・慢性疲労・便秘・不眠・肌荒れなどの症状も現れます。

そんな冷え症の緩和に重要なのは、体を温め血行をよくすることです。
その方法をいくつかご紹介します。

  • 熱めのお風呂に入ると、突然の体温上昇でのぼせないように、体が防御するため体の芯まで温まりません。ぬるめの湯船にしっかりつかる→40度くらいのぬるめのお湯にじっくりゆっくり温まって下さい。
  • ぬるめのお湯で入る事で徐々に体の芯まで温まることが出来ます。長時間湯船につかるのが苦手な人は、入浴剤を使用したり、銭湯に行くなど、ちょっと気分を変えてみるものいいのではないでしょうか。
  • 体を温める働きがあるものを食べる →生姜、ニンニク、葱、唐辛子、ニラが体を温める作用がある事は有名ですが、お米、南瓜、人参、玉葱、カブも体を温める働きがあると言われています。これらは毎日の食事に取り入れ易い食材なのではないでしょうか。
  •  運動する→運動し筋肉を使うことで熱を発生するので体も暖かくなります。この時、ストレッチなど低負荷で体全体を使うことが大事です。
  • 足を温める→レッグウォーマーやハイソックス、厚手のタイツをはくことで冷えている部分を冷やさないことも勿論大事です。寝る時には湯たんぽもいいと思います。リラックス効果があると言われ、暖房のように部屋を乾燥させることなく足や体を温めてくれるので、風邪などにもかかりにくいですね。

今回は、冷え症対策を紹介させて頂きましたが、どれもすぐに取り入れて頂ける方法です。
少しでも冷えの症状緩和にお役に立てればと思います。