院長は片頭痛患者。お気持ちよーく分かります。

 脳神経リハビリ北大路病院
院長
 岡田達也
(片頭痛患者)

 1.片頭痛とは
 片頭痛という言葉を聞いたことがある方は、たくさんおられると思います。片頭痛は心臓の拍動にあわせてズキンズキンと痛みます。激しい痛みとともに、嘔気・嘔吐、下痢などの症状を引き起こしたりして、仕事や学業、日常生活に支障を来たすやっかいな頭痛です。
 私自身も片頭痛を患っていますが、2021年に新しい予防薬(CGRP関連抗体薬)が開発されて、予防治療がしやすくなってきました。

2.どんな病気か
 片頭痛に悩まされている人は非常に多く、日本人の15才以上の8%以上、800万人~900万人が片頭痛に悩んでいると言われています。約80%が女性です。30才代の女性では5人に1人が片頭痛と言われています。片頭痛が起こる頻度は1ヶ月に1~2回のことが多いですが、多い人では週に2回以上起こる人もいます。

 一度片頭痛発作が起こると、短くて数時間、長いと3日間くらい、ズキンズキンと心臓の拍動に合わせるような頭痛が続きます。頭の片側のことが多いですが、両側に起こる場合もあります。
 痛みは動けない程強いこともあり、頭の位置を変えるだけでも痛みが悪化します。光や音に敏感になり、騒々しいところや明るいところにいられなくなります。嘔気・嘔吐や下痢を伴うこともあります。

3.なぜ起こる?
 片頭痛のメカニズムには頭や顔面の知覚をつかさどる三叉神経が関係しているとわかっています。  
 CGRP(Calcitonin Gene-Related Peptide,カルシトニン遺伝子関連ペプチド)という物質が三叉神経から普段わずかに放出されているのですが、これが過度に放出されると周りの硬膜血管を拡張させ炎症を起こすことで強い頭痛が起きます。これが片頭痛です。

4.急性期治療
 片頭痛の急性期治療で使われるのは主に次の2種類です。

①消炎鎮痛剤
 市販のセデス、バファリン、ナロンエースなども含めて、以前から使われてきた薬です。血管壁やその周囲の炎症を鎮めて痛みをおさえます。おもに症状が軽い人や発作の頻度が少ない人に使います。

 ②トリプタン製剤
 2000年に承認された薬で、医師の処方箋が必要です。主に拡張してしまった脳の血管を収縮させて正常な太さに戻すとともに、三叉神経から痛みの原因物質が放出されるのをおさえます。おもに症状が重く仕事や日常生活に支障がある人に使います。

  ①、②ともに頭痛が起きてからすぐに使用しないと効果は殆どありません。

5.予防療法
 片頭痛発作が月に10日以上、あるいは生活に支障をきたすような重症の頭痛が月に3日以上ある人では、予防療法が勧められます。

①内服薬
 カルシウム拮抗薬、βブロッカー、抗てんかん薬、抗うつ薬など、元々片頭痛の薬ではないものに、片頭痛予防効果があることがわかっており、使用されてきました。但し、毎日継続的に使用しなければならないことや副作用の面で使用しにくいところがありました。

②片頭痛予防の注射薬 (CGRP)
 最初に述べたように片頭痛の発症には、三叉神経終末から放出されるCGRP(Calcitonin Gene-Related Peptide,カルシトニン遺伝子関連ペプチド)が関わっています。2021年にCGRPの働きやその受容体の働きを抑える注射薬が保険適応となりました。副作用が少なく、月に1回あるいは3か月に1回の注射で済むことから、片頭痛患者さんにとって朗報と言えます。(私自身も毎月注射しています。)但し、金額が少し高いのが玉にきずです。

 脳神経リハビリ北大路病院では上記の様な全ての片頭痛治療が可能となっています。「頭痛くらいで病院にかかるなんて」と考えずに気軽に受診してください。

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