コロナ禍とフレイルの話

運動習慣と認知症予防の関係

2019年に始まったコロナ禍の影響で、皆さんの外出する機会は減ったと思います。外出する機会が減ったことにしたがって、運動不足が問題になっています。特に運動不足の与える悪影響は、年齢を重なるにつれて大きくなってくると言われています。

・「フレイル」とは?
「加齢による心身の衰え」のことを最近では、「フレイル」といいます。
フレイルと言う言葉は、平成26年5月日本老年学会が、「Frailty(加齢とともに環境因子に対する脆弱性が高まった状態のこと)」の日本語訳として、新たに提唱しました。

フレイルは、さらに身体、認知・精神、社会性の3つの要素に分けられます。
1)身体的フレイル:栄養不良、筋肉量の低下など
2)認知・精神的フレイル:認知機能障害、うつなど
3)社会的フレイル:孤独、閉じこもりなど

各々のフレイルは、密接に関係しており、悪影響しあうことも知られています。たとえば、身体的にフレイルであることは、後の認知症発症のリスクとなることが報告されています。私の周りでも、「元気だった人が、怪我で寝込んでから、怪我は治ったのに、物忘れが出てきたので、地域の集まりに来なくなった」というような話はよく聞きます。

・身体フレイルは運動によって予防できる
加齢に伴う心身機能の衰えは、ある程度は不可避的なものではありますが、適切な介入がなされれば、予防できることも報告されています。特に身体フレイルは運動によって予防可能なため、日常生活や運動習慣で認知的フレイルを予防することが重要です。

・毎日続けられる運動習慣を
少し体力が落ちているときには、いきなり早く歩くのは禁物です。まずは、室内のストレッチや軽い筋トレを行い、筋力をつけていきます。自信がつけば、近所に散歩や買い物に行ったり、お出かけする機会を徐々に増やして、歩く力をつけましょう。
簡単なことでも、習慣にして、毎日続けることが大切です。

脳神経内科医 綾木孝

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