不安と折りたたみ傘

この原稿を書いている6月初旬現在、ニュースは新型コロナウィルス一色で、見ているとどうしても不安になってしまいます。

ところで、カウンセリングでは、この『不安』の話になることが結構あります。(別にコロナとは関係なく)

たいていは「×××が不安なので困ってます」という話なのですが、話を聴いていると、「そりゃ不安にもなりますよねぇ」ということがほとんどです。

「病気で休職中なんだけど、前みたいに仕事に戻れるか不安なんです…」「リハビリしてるけど、本当に回復するのか不安で…」エトセトラ、エトセトラ。「その状況なら不安になるのが当然なんじゃない?」という話の多いこと、多いこと。

だからと言って、別に「不安なんて問題じゃないですよ」なんてことが言いたいわけではありません。だって、嫌なモンですから、不安って。

これは私の勝手なイメージなのですが、こういう不安って『折り畳み傘』みたいなモンなのかなぁ、という気がしています。

急なアクシデント(患者さんの場合、病気)に見舞われてビックリして、そこからもとの生活に戻っていく時って、突然の雨に降られてビショビショに濡れて、また外出しようとする時みたいなもので、そういう時って“またあんな目にあったら嫌だなぁ…”って思うから折りたたみ傘を持って出かける、っていう感じ。折りたたみ傘を持ってるからそのぶん重たいし、それって嫌なモンだけど、ない方がいいかって言われたら、もしまた同じ目にあったら役に立つよなぁ、っていう感じ。でも、それってずーっと手放せないわけじゃなくて、もう大丈夫そうだなってなれば置いていけばいいわけで、嫌なモンだけどそれまでは持ってた方がいいのかな、みたいな感じ。

どうです? 似てませんか? 不安と折りたたみ傘。

急なアクシデントみたいな感じで〆切直前に突然頼まれて、大して考えもせずに書いたこの原稿、こんなのでいいのかなぁ…。あぁ、やっぱり不安だな・・・

公認心理師・臨床心理士 木場律志

 

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