四季報そよかぜ 2019年1月号

平成31年 次の十年にむけて

医療法人一仁会脳神経リハビリ北大路病院
院長 岡田達也

皆様明けましておめでとうございます。

平成も残すところあと4か月になりました。

脳神経リハビリ北大路病院は、平成30年(2018年)12月1日に開院十周年を迎えました。

これもひとえに皆様方のご協力、ご指導の賜物と感謝いたしております。

1.これまでの十年

平成20年(2008年)12月1日に「石野病院」が新築移転し、「脳神経リハビリ北大路病院」となり新規開院しました。

平成21年(2009年)7月1日に京都市左京区で5番目の回復期リハビリテーション病棟を取得し、2病棟体制となり、「回復期リハビリテーション病棟(36床)」と「障がい者病棟(20床)」になりました。

訪問リハビリテーション「きたおおじ」の充実も徐々に図ってきました。

リハビリテーションそのものだけではなく、心療内科医、臨床心理士による精神面のサポート、嚥下内視鏡検査、緊急時のCT・MRI検査など、他のリハビリテーション病院にはない独自の機能も最大限に使って、患者様の在宅復帰さらに在宅復帰後のお手伝いをしてきました。

平成29年(2017年)には訪問看護ステーション「脳神経リハビリきたおおじ」を再開させました。まだまだ小規模ですが、今後訪問リハビリとの相乗効果でさらに多くの方に在宅サービスを提供できるようにしていきます。

ロボットスーツHALによるリハビリについては、外来での自由診療によるリハビリを開始し、脳卒中の急性期から回復期、在宅維持期に至るまでシームレスにロボットリハビリを提供できるようになりました。

神経難病の患者様にもHALを導入し、外来での歩行機能改善にHALを導入してきました。
また音楽療法についても入院患者様だけでなく、外来自由診療でより多くの在宅患者様に多様なリハビリを選んでいただけるようになりました。

平成30年(2018年)は、2月1日に病棟再編成を行い、「回復期リハビリテーション病棟(26床)」と「障がい者病棟(30床)」に生まれ変わりました。

2.これからの十年

さて、次の十年に脳神経リハビリ北大路病院は何ができるのか。
現在の超高齢化少子化社会においては単純に在宅へ帰っていただくためのリハビリと言っても一筋縄ではいきません。

九十歳を超えた方に、家に帰るためには頑張ってリハビリしないとと言います。しかも在宅で介護する方は七十歳を超えた高齢者です。

または独居で介護者はいない。などというのはまだよい方で、リハビリの対象疾患以外の合併症がいくつもあります。等々、この十年間だけでもリハビリ病院に課せられた仕事は増える一方です。
これから十年の当院がやらなければいけないことは、他の病院ではリハビリ困難な患者様の「リハビリテーション」と考えます。

すなわちこの「リハビリテーション」とは、体のリハビリだけではなく、心のリハビリ、生活のリハビリ、仕事のリハビリ等、患者様のその後の人生全般を見通したリハビリということです。
他病院では充実したリハビリを受けられない患者様にも積極的にリハビリを行い、これからの十年も地域医療にさらに貢献できればと考えています。

平成31年 正月

10周年記念式典を終えて

脳神経リハビリ北大路病院は2018年12月1日をもって10周年という節目を迎えました。

この10周年という大きな節目で職員会の代表という、これまた大きな役目が私に課せられました。こんないい加減な男にこんな大役を任せるなんて、北大路病院は勇気があるなと思ってしまいました。こんないい加減な男でもやってみせた!!といいたいところですが、職員会の優秀なメンバーに助けられたところが大きかったと思います。改めて人のありがたさを感じることが出来ました。

さて、話は変わりますが、一般的にベンチャー企業の生存率というのは、5年後は15%、10年後は6.3%、20年後は0.3%といわれています。また、存続する企業が大切にしている事というものに目を通したことがありますが、意外にも「お金儲け」ではないそうです。

社会に対して影響をもたらしたいということと、社会性のあるビジネスを展開しているということだそうです。この2つは病院という観点や北大路病院の理念から考えると当てはまっていると思います。あとはやはり、リハビリ病院というもののコンテンツが一番大切なので、私もしっかりリハビリで結果が残せるように頑張りたいと考えています。

脳神経リハビリ北大路病院は診療所の開院から数えれば、68年という長期にわたり継続して経営を続けています。

また、岡田理事長、岡田達也院長が就任してからは23年という期間存続しています。これは理事長が述べていた「四方良し」という地域や患者様だけでなく法人やスタッフにとっても良いものになるようにという考えがあってだと思います。私も地域や患者様、法人や他のスタッフと共に成長していきたいと考えます。